実験を通して!

h-nakanishi

写真は、記事とは特に関係なくS先生提供の北海道一周ツーリング写真です。

今回の担当は、
恩多町教室・教室長の中西です!

「今日さ~ 実験したんだけど~ うちらの班しか成功しなかったんだよ~」 と
中2生が、学校でやった理科の授業内容を教えてくれました。
「何の実験だったの?」
「えー なんかよく分かんないけど 試験管が割れたんだよ~」
「それ分かってなかったら意味ないじゃん! 何と何を混ぜたの?」
「あー そういうこと?! 硫黄となんか」
「硫黄と鉄粉ね。 今回のテスト範囲だよそれ!」
「あと塩酸ね。 匂い嗅いだ??」
「匂い? ナニソレ? みんな失敗したから。」
「そっか。 そこまで行かなかったのか~ ザンネンね。」

毎年この時期の中2では、硫化水素を発生させる実験をやります。
そして、毎年数件ではありますが、事故が発生してしまう(全国規模で)んです。
よくあるものとしては、
実験で発生させた硫化水素を吸ってしまい頭痛や吐き気を引き起こすというものです。
もちろん先生も細心の注意を払ってくれてはいますが、この時期に数件ニュースになります。

そんな事故につながりやすい実験、止めた方がいいのでは?というのを言いたい訳ではなく・・・

硫化水素はそもそも実験室だけで発生するものではなく、身近なところにもあります。
① 火山や温泉街に行くと感じる「硫黄のにおい」の正体は硫化水素です。
硫化水素は火山活動で発生し、活動の盛んな火山の周辺では、硫化水素などの有毒気体の濃度を測定しており、上昇すると入山が規制されます。

② 硫化水素を吐き出す硫酸塩還元菌という細菌の仲間もいます。
彼らにとっては酸素が有毒なため、外の空気と交わりにくく酸素のないジメジメした環境に好んで住みます。
特にし尿や汚泥を含んだタンクや下水道は要注意です。
その他、海藻や水草が大量発生した干潟や湖の悪臭、私たちの口臭に至るまで、この細菌の仲間の仕業です。
条件が整った場所ならどこでも硫化水素を発生し、私たちの生活環境に悪影響を及ぼすのです。

多くの温泉や火山を抱える日本に住む以上、硫化水素の臭いや危険性は身をもって学んでおくべきで
自分と周囲の人の命を守るために、化学反応を実体験してや硫化水素の知識を学び活用する必要があるのです。

安全に留意して、理科の面白さを伝える・知る機会を維持して欲しいです。

 

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