こんにちは、学園町教室 教室長の白澤です。
ここ数十年、『数学の未解決問題』が
話題になる機会が多くなっています。
そのうちの一つがこれです。
その名も
『コラッツ予想(別名:3n+1問題)』
コラッツ予想??
そんな問題初めて聞く、という人も多いと思います。
内容としては小・中学生でも十分理解出来るものですが、
もう数十年も数学者を悩ませている問題なのです。
この問題の証明に、日本の企業が懸賞金(なんと1億円以上!)を
かけたということでも話題になっています。
コラッツ予想とは、1930年代に
ドイツの数学者ローター・コラッツによって
最初に提示された数論問題です。
それは、任意の正の整数に対して、
〇偶数の場合は2で割る
〇奇数の場合は3倍して1を足す
という操作を繰り返すと、最終的に1になる
という数式のことを指します。
つまり、コラッツは上の操作をすれば
『どんな整数も必ず1になる』と予想したわけです。
実際やってみると、手順の多さの違いはありますが
ちゃんと1になることが分かります。
例えば「5」の場合。
5・・奇数だから3倍して1を足す ⇒ 16
16・・偶数だから2で割る ⇒ 8
8・・偶数だから2で割る ⇒ 4
4・・偶数だから2で割る ⇒ 2
2・・偶数だから2で割る ⇒ 1
と、確かに1になりますね。
他にも例を挙げてみましょう。
・「10」の場合
10→5→16→8→4→2→1 (6回の操作で1になります)
・「11」の場合
11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1 (14回の操作で1になります)
・これが「27」になると操作の数が爆増します
27→82→41→124→62→31→94→47→142→71→214→107→322→161→484
→242→121→364→182→91→274→137→412→206→103→310→155→466
→233→700→350→175→526→263→790→395→1186→593→1780→890
→445→1336→668→334→167→502→251→754→377→1132→566→283
→850→425→1276→638→319→958→479→1438→719→2158→1079→3238
→1619→4858→2429→7288→3644→1822→911→2734→1367→4102→2051
→6154→3077→9232→4616→2308→1154→577→1732→866→433→1300
→650→325→976→488→244→122→61→184→92→46→23→70→35→106→53
→160→80→40→20→10→5→16→8→4→2→1(なんと111回!!の操作で1になります・・・あ~、疲れた(笑))
「55」だと27よりもさらに多く、112回の操作で1になります。
それはここで表記するのも大変なので、
自身で確かめてみて下さい(笑)。
27や55の計算(操作)は別としても
どの数も自力で計算出来ますよね?
しかもそれほど難しい計算があるわけでもなく。
では、そんな一見すると単純な計算なのに
何故数十年も数学者を悩ませているのかというと、
それは
『無数にある数を相手にしているために、全て調べきれない!』
ということに尽きます。
計算自体は簡単なんですが、それを証明するとなると
また違った問題があるということなんですね。
実際、現在は20桁近くの整数まで
調べられているといいますが、
このような無数にあるものを調べた場合、
怖いのは『反例(予想が成立しない例)』が
出て来ることなんです。
どれだけ大きな数まで確かめられても
予想を証明したことにはなりません。
何故なら、その先に反例が存在する
可能性があるからです。
100個調べて成立しても、101個目に
反例が出て来るかもしれない。
1万個調べても、1万1個目に反例が・・・。
100万個調べても、100万1個目に・・・。
並み居る数学者をして、まだ全ての数に対して
予想が成り立つということを証明出来た者はいません。
操作をして1になることは示せても、
反例の可能性を0にすることが出来ていないんですね。
この予想については、入試問題でも触れられています。
実際、過去の大学入試センター試験でも出題されていますし、
ある県の公立高校入試問題でも同様に、
『7回の操作で1になる自然数は?』という問題が
出題されています。
皆さんは、この問題解けますか?
解答は
↓ ↓ ↓ ↓
Ans. 3、20、21、128
いずれにしても。
並み居る数学者が証明出来ていないんですから、
証明も簡単ではないことが分かります。
ただ、証明は難しくても、もしかしたら
計算して1にならない数を見つけることは
出来るかもしれません。
それを見つけたら、懸賞金1億は無理かも
しれませんが、大きく注目されるのは間違いないです。
チャレンジしてみてはいかが??(笑)