教室の授業は基本的に学校より少し先を進めているので、
新出漢字を教える際には丁寧に見ていきます。
間違った書き順で練習を繰り返し、それが定着しては困るからです。
3年生くらいになると、これまで習った漢字の一部が組み込まれてくるので、
ある程度書き順が想像できるものも出てきます。
たとえば『詩』という漢字の場合、すでに『言』も『寺』も習っているので自然に正しい書き順で書くことができます。
ただ、『登』に関しては、部首のハツガシラも初登場なので、どこから書いたらいいのか分かりませんね。
特に、この漢字は特徴的な書き順なので、最初のインプットを間違えると修正するのが難しくなります。
なので、なるべく一画ずつ確認して、正しい書き順でなぞれているか、書けているかを見ています。
その後、学校で漢字練習ノートが宿題になったり、漢字テストがあったりしますが、書き順を確認されることはありません。
それでも書き順をうるさく見ている理由は、いずれ漢字検定を受けるときに困らないようにするためです。
漢検では太くなった部分が、何画目なのかを問う問題があります。
そのときになって覚え直すのは大変です。
無意識に正しい書き順で書くことが定着するようになってほしいと思っています。
書き順を理解すると字が上手になりやすいという大きなメリットがあるので、
小学生の授業ではとりわけ細かくみています。
言わなくてもきれいに書く子と言わないときれいに書こうとしない子がいます。
この差ってなんなんだろう?と不思議なのですが、
正しい漢字を書けているのに、自分自身が納得しないと何度も消しゴムで消して書き直す子もいれば、お世辞にもきれいと言えない字を書く子もいます。
上手に書けとは言いませんが、丁寧に書くように伝えています。
昔、小1の子を受け持っていた時に一緒に作った呪文の言葉があって
「きれいに、ていねいに、えんぴつたてて。」
※鉛筆を立てると筆圧が強くなって、しっかりとした線が描けます。
きれいな形で漢字を書けるようになると、高学年になって書く量が増えて、スピードアップしてもきれいな文字はキープされます。
きれいな文字は見る側も気持ちのいいものです。
正しい漢字が書けていればいいのかもしれませんが、付加価値として丁寧な字も声掛けしています。